瞼が反転して結膜炎などを引き起こす眼瞼外反症とは?

犬の生まれつきの病気としてあげられるのが「眼瞼外反症(がんけんがいはんしょう)」です。
生まれつき病気になっていることも多いですが、生まれた時は全く問題なく他の病気が原因となって眼瞼外反症になる場合もあるため、生まれた時は病気もなく問題なかったとしても眼瞼外反症になってしまう可能性は十分にあり得ます。
眼瞼外反症は一度なってしまえば治療ができない不治の病ではなく、適切な治療を行うことで症状が緩和されます。
また、症状の状態によって軽い場合と重い場合で治療法が違ってくるため、軽い症状で眼瞼外反症に気づいた場合は、速やかに治療してあげることがペットのためにもなります。
【症状】眼瞼外反症の症状
眼瞼外反症は瞼が外側反転してしまい、普段は瞼によっておおわれている結膜と呼ばれる眼球を覆う膜が露出してしまう病気です。
結膜が露出してしまうことによって、常に空気に触れた状態となってしまい雑菌などが増えやすくなります。
そうして雑菌が増えると、炎症を起こして結膜炎などの病気の引き金となるわけです。
この眼瞼外反症は主にした瞼に見られる病気で、病気になるとした瞼がダラリと開いて垂れさがったような状態になってしまうので、外見から病気かもしれないと判断することは可能です。
常に乾燥した状態が続き雑菌が増えやすくなるため、目ヤニの量が増えたり目を痒がるようになったりします。
また、結膜と一緒に涙が出る涙腺も空気にさらされるので、流涙症と呼ばれる涙が多く目に溜まる病気を発症することもあります。
【原因】眼瞼外反症の原因
眼瞼外反症の原因は生まれつきの先天的なものがほとんどです。
中でも、顔の皮膚が多くたるみやシワが多いブルドックやセント・バーナード、ゴールデン・レトリーバーやコッカースパニエルなどの犬種に多く見られています。
後天的な原因としては、顔面の麻痺や外傷などがあります。
また、歳を重ねた老犬にもみられる病気で、顔の皮膚が年齢と共にたるみ発症するケースもあるようです。
【治療】眼瞼外反症の治療
眼瞼外反症の治療法はいくつかあります。
そもそも、結膜炎などの症状が出ていないような場合には治療を行わないというケースもあります。
他の病気を発症してしまったりするような重度の眼瞼外反症の場合は、外科手術による治療が選択されます。
外科手術では、下瞼の一部を切り取って縫い合わせることによって、下瞼が反転してしまわないようにします。
そうすることで、露出していた結膜が再び瞼でおおわれて炎症の原因となっていた細菌が増える環境から改善します。
ただし、外科手術を行う場合は結膜炎などの別の病気を併発している場合は、まず投薬治療などで併発している病気の症状を改善させたのち、外科治療を行うので症状が重症な場合は、治療に時間や費用がかかってしまいがちです。
【予防】眼瞼外反症の予防
眼瞼外反症の予防法は基本的にはありません。
理由としては生まれつきで発症するケースが非常に多いため、予防しようがないというのが一番の要因です。
ただし、結膜炎や外傷、顔面麻痺などの後天的な原因で発症することもあるので、そうした病気になった場合には早期発見、早期治療を行う事で眼瞼外反症を予防することにはつながります。