子犬や子猫は要注意!コクシジウム症はどうやって予防するの?

コクシジウム症は、コクシジウムという原虫の感染によって起こる寄生虫感染症です。成犬や成猫は寄生されても発症することはまれですが、子犬・子猫が感染すると下痢や脱水などの症状が出て、重症になると死亡する場合もあるため注意が必要です。
【症状】子犬や子猫が発症しやすい
成犬や成猫がコクシジウムに感染しても、症状があらわれないか、あっても軟便程度の症状しか出ないことがほとんどです。しかし免疫力の弱い子犬や子猫が感染すると、水溶性の下痢が出たり血便や粘液便がみられたりします。はげしい下痢にともなって脱水症状に陥り、体が衰弱していきます。症状が重篤化すると命の危険にかかわることもあります。
【原因】コクシジウムの寄生
イソスポラというコクシジウム類に属する原虫が、小腸や腸管内に寄生することが原因です。感染経路は、すでに感染している犬や猫の糞便の中に存在するオーシストと呼ばれる卵型のコクシジウムが、口から体内に入ることによる経口感染です。糞に触れたり、糞を踏んだ足や感染している動物のおしりを舐めることでも感染します。
【治療】抗菌剤を投与する
コクシジウム症の治療には、サルファ剤などの抗コクシジウム剤の投与が有効です。およそ1~3週間程度の投与で症状の改善が見込まれます。もし長期間の下痢や脱水でぐったりしている場合には、点滴や水分補給などの処置も同時に必要です。
症状が回復した後でも、しばらくの間は便と一緒に卵型の病原菌が排出されます。他の犬や猫への感染を防止し、また再発症することを防ぐためにも、飼育環境の清潔には気を配りましょう。
【予防】飼育環境を清潔に
飼育環境を清潔に保つことをこころがければ、コクシジウム症は予防できる病気です。糞と一緒に排出された直後のコクシジウムのオーシストは、未成熟で感染力を持ちません。放置せずに糞をすぐ片づければ感染の予防につながります。散歩中などは、他の犬や猫の糞に接触させないように気を付けましょう。