早期治療を施さないと大変なことになる!?組織球肉腫の症状・原因・治療法!

組織球肉腫(そしききゅうにくしゅ)とは、犬に多く発症する癌(がん)の一種です。稀に猫にも発症することがありますが、一般的に犬の病気として扱われています。組織球肉腫は樹状細胞由来の悪性腫瘍で、発症後は急速に全身へ転移してしまいます。組織球肉腫の症状が現れれば、早期段階で動物病院で受診しましょう。
目次
【症状】組織球肉腫の主な症状
組織球肉腫は、咳、関節の腫脹や跛行、食欲不振、嘔吐、下痢、発熱等が主な症状になります。高発症部位は肝臓、肺、関節、骨髄、リンパ節、関節になります。
組織球肉腫は主に局所性組織球肉腫(きょくしょせいそしききゅうにくしゅ)と播種性組織球肉腫(はしゅせいそしききゅうにくしゅ)の2つに大きく分類されます。
局所性組織球肉腫の場合
局所性組織球肉腫を発症した場合、関節部位を中心に腫瘍が現れます。症状は疼痛(とうつう)主に末梢神経に強い痛みが現れ、一度発症すると急速に腫瘍が転移、増殖していきます。
播種性組織球肉腫の場合
播種性組織球肉腫の場合、脾臓、肝臓、肺等の臓器を中心に腫瘍が現れます。発症後は、急速に著しい貧血、血小板減少症、低アルブミン血症等が現れます。致死率は局所性組織球肉腫に比べて非常に高くなります。
【原因】組織球肉腫の主な原因
組織球肉腫のはっきりとした原因は現在わかっていません。しかし好発犬種が報告されているため、遺伝が主な原因だと現在考えられています。
主に『ゴールデン・レトリーバー』『フラットコーテッド・レトリ ーバー』『ラブラドール・レトリーバー』等のレトリバー犬種は四肢に腫瘍が多く発見されることが多く、その他犬種は、脾臓、肝臓、肺等に発見されることが多いようです。
好発犬種は、『ウェルシュ・コーギー』『シェットランド・シープッドッグ』『ゴールデン・レトリーバー』『フラットコーテッド・レトリ ーバー』『ラブラドール・レトリーバー』『ドーベルマン』『ロットワイラー』『バーニーズ・マウンテン』等です。
【治療】組織球肉腫の治療法
組織球肉腫の治療法は抗がん剤治療、放射線治療、外科手術等です。
抗がん剤治療
抗がん剤治療は主にロムスチンという薬剤を投与します。ロムスチンを投与することにより、早期治療による延命が可能になってきています。
放射線治療
放射線治療は多くの獣医師から効果が認められており、疼痛緩和にも有効です。しかし局所的に有効な治療の為、広い範囲に腫瘍がある場合、効果は期待できません。
外科手術
外科手術を行う場合、手術が可能な部位と可能でない部位に分かれます。局所性組織球肉腫を発症している場合、多くの腫瘍は関節に発生する為、手術での治療が非常に効果的です。
【予防】組織球肉腫の予防法
組織球肉腫は上記で説明したように遺伝性が原因の為、予防することは非常に困難です。しかし早い段階で治療を始めれば、延命につながり、完治することもあります。症状が現れたら、放置せずにすぐに動物病院で受診しましょう。