発生率は約20分の1?気を付けたいペットの難産について

ペットの難産とは人の手を借りないと出産が難しい状態、不可能な状態を言います。犬・猫が妊娠した際は早めに獣医師の検診を受けることが大切です。また難産の原因は様々あり、また犬・猫によっても異なります。発生率は出産の約20分の1の確率でおこります。
【症状】難産の症状
難産は人の手を借りないと出産が難しい状態、不可能な状態を言います。また通常の出産は陣痛が始まってから1時間ほどで完了することが多く、出産にそれ以上時間がかかる場合は難産の疑いがあります。
難産の主な症状は以下です。
『出産前から黒っぽい緑色のおりものが出る』
『陣痛で苦しんでいるのに20分、30分経過をしても出産をしない』
『陰部から羊膜が出ているのに2時間以上経過しても出産しない』
『破水後2~3時間たっても出産しない』
『第一子の出産後、3~4時間以上経っても第二子を出産しない』
『交配後63日を過ぎても出産する様子を見せない』
このような症状をみられる場合は難産の恐れがあります。かかりつけの医師の診断を受けましょう。
【原因】難産の原因
犬の場合
犬の難産には様々な原因がありますが、その70%以上が母犬にあるといわれていています。主な原因は『子宮無力症』 『産道の異常』 『過大胎児』 『胎児の失位』が挙げられます。
犬の難産の原因として1番多いのは子宮無力症です。この病気の原因は高齢や遺伝、肥満などによる子宮筋への脂肪沈着です。この脂肪沈着とは中性脂肪が局所的に蓄積する状態をいい、本来の組織が萎縮する病気です。
猫の場合
猫の難産の原因は『巨大胎児』 『子宮無力症』 『子宮疲労』などが挙げられます。胎児に原因がある巨大胎児とは、母親のおなかの中で胎児が大きく成長し過ぎてしまったり、奇形により胎児の体の一部が大きくなってしまった場合をいい、通常の出産が困難になるため帝王切開を施します。
また上記でも説明した子宮無力症が猫の難産の原因になることがありますが、犬に比べ猫で原因として挙げられることは稀です。猫で難産の原因として比較的多いのは子宮疲労です。この症状は出産が長引いた際に、筋肉の疲労により子宮筋の十分な収縮力を発揮できない状態のことをいいます。
【治療】難産の治療
犬・猫の難産に対する治療はありませんが、獣医師による妊娠中の定期的な検診が大切です。
【予防】難産への予防
普段から母犬・母猫の体調管理に気を配ってあげることが大切です。健康管理に気を配ることでで、難産の原因となっている子宮無力症、子宮疲労の予防に繋がります。